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司法試験〜平成24年度試験

 平成24年度の司法試験は、5月16日(水)から4日間の日程で実施される予定である。例年、5月の第2水曜日からの実施であったが、今年は第3水曜日からの実施となる。

12/05/16(Wed)09:30〜12:30(180min)選択科目(論文式)
13:45〜15:45(120min)公法系科目第1問(論文式)
16:30〜18:30(120min)公法系科目第2問(論文式)
12/05/17(Thu)10:00〜12:00(120min)民事系科目第1問(論文式)
13:15〜15:15(120min)民事系科目第2問(論文式)
16:00〜18:00(120min)民事系科目第3問(論文式)
12/05/19(Sat)09:30〜11:30(120min)刑事系科目第1問(論文式)
12:45〜14:45(120min)刑事系科目第2問(論文式)
12/05/20(Sun)10:30〜13:00(150min)民事系科目(短答式)
14:15〜15:45(90min)公法系科目(短答式)
16:30〜18:00(90min)刑事系科目(短答式)

 23年度試験と比べて時間割の変更はない。試験地は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の7都市12会場である。

試験地会場住所
札幌市北海道経済センター札幌市中央区北1条西2
仙台市東北学院大学土樋キャンパス仙台市青葉区土樋1-3-1
東京都サンシャインシティコンベンションセンターTOKYO東京都豊島区東池袋3-1文化会館
TOC東京都品川区西五反田7-22-17TOCビル13階
東京都立産業貿易センター浜松町館東京都港区海岸1-7-8
東京流通センター東京都大田区平和島6-1-1
名古屋市愛知大学車道キャンパス名古屋市東区筒井2-10-31
名城大学天白キャンパス名古屋市天白区塩釜口1-501
大阪市大阪商工会議所大阪市中央区本町橋2-8
マイドームおおさか大阪市中央区本町橋2-5
広島市広島県立広島産業会館広島市南区比治山本町16-31西展示館
福岡市南近代ビル福岡市博多区博多駅南4-2-10


試験公告 平成23年11月11日(金)
願書交付 平成23年11月11日(金)〜12月7日(水)
願書受付 平成23年11月24日(木)〜12月7日(水)※消印有効
受験票発送 平成24年4月18日(水)
試験実施 平成24年5月16日(水)〜17日(木)、19日(土)〜20日(日)
短答式試験成績発表 平成24年6月7日(木)16:00
短答式試験成績通知書発送 平成24年6月中旬
合格発表 平成24年9月11日(火)16:00
合格通知書兼成績通知書発送 平成24年9月下旬
合格証書授与 平成24年10月上旬
官報公告 平成24年10月3日(水)




論文試験雑惑

1.公法系科目
(1)第1問
 訴訟形式は住民訴訟(自治242条の2第1項4号)。町長を被告として不当利得の義務付けを請求する。
 89条の問題としてとらえたが、「宗教上の組織若しくは団体」の検討を忘れる。法律論は原告で目的効果論を書き、自己の見解でそれを批判し、空知太神社判決(平成22年1月20日民集64巻1号128頁)を意識した論証を論述。
 あてはめは、かなり難しい。村で唯一のお寺が公共的な存在といえるかどうか微妙である。結局、庫裏への助成は違憲とした。

(2)第2問
 問題見た瞬間できないと判断。都市計画法の構造が複雑で、設問も3つあってあきらめ。何を書いたかも覚えていない。出題趣旨に何一つ答えていないというレベルだろう。

(3)感想
 憲法・行政法ともにできないのは問題読んだ時点でわかった。点数は80点と案の定最悪の結果。ちなみに、過去3年間の公法系の点数は、93点→87点→80点と右肩下がり。

2.民事系科目
(1)第1問
 設問1は、所有権の取得原因。小問(1)は、相続による甲土地の取得。遺産分割協議がないので、Fは所有権を取得していない。したがって、「黙示」の遺産分割協議が認められるか検討したが、出題趣旨によると「主張自体失当」でよかったようで、蛇足だった。小問(2)は、取得時効による取得。下線部の事実は所有の意思を基礎付ける事実や自主占有事情となる。
 設問2は、寄託契約。契約の趣旨から割合に沿ってのみしか返還請求できないだろうと判断。出題趣旨によると物権的な返還請求権か債権的な返還請求権かが問題になるらしいが、無意識に債権的返還請求権で論述した。
 設問3は、損害賠償請求。無償寄託なので、「自己の財産に対するのと同一の注意」義務した負わないので、鍵をかけ忘れたことが注意義務違反になるかどうかで迷う。自己物であっても建物に鍵をかけることは普通であろうとと考え、債務不履行を認定。損害の範囲は「特別損害」で論述したが、いまいちわかっていなかったので適当な論述をした。

(2)第2問
 設問1は、不明だったので、何を書いたかも覚えていない。決議の順番が問題になると思ったが、それ以外に選任される取締役の員数も問題になるようだ。
 設問2は差止請求と代表訴訟。利益相反取引という法令の違反がある。仮処分には触れた。
 設問3は、総会で意見陳述の機会が奪われたことしか論点に気づかなかった。「否決の決議」が決議取消しの訴えの対象になるかも論点になるらしい。

(3)第3問
 設問1の小問(1)は、本件書証では、保証契約の締結は直接的に証明できても、代理権の授与は二段の推定によって証明できないことを指摘するもの。小問(2)は、代理人の主張がなくてもその認定をしてよいという古い判決の批判。判例は効果が本人に生じることを根拠としているが、要件事実的に考えると「代理権の授与」の主張がなければ裁判所は認定できないことになる。
 設問2は、参加的効力を否定する根拠。参加的効力は告知者と被告知者の衡平の見地から認められるところ、両者が利害対立関係にあるときは効力が及ばない、そもそも参加人は告知者の訴訟行為と抵触する行為はできないのである(46条1号)、と論述。他に参加的効力の及ぶ客観的範囲の問題として判決理由の判断には及ばないと構成する方法もあったようだ。
 設問3は、同時審判申出共同訴訟。Cのみが控訴するとこの請求のみが移審するからXは両負けの可能性がある。

(4)感想
 会社法の設問1・3がいまいちのほかは、大きなミスはなかったと思う。点数も178点とまずまずのところだった。

3.刑事系科目
(1)第1問
 横領と背任は法条競合との指摘が抜けていた。抵当権の設定が横領行為になるかの十分な論述ができなかった。時間切れで罪数は書けなかった。

(2)第2問
 設問1は、捜索の「場所」の問題としてしか書かなかった。被疑事実との「関連性」の記述をしていない。
 設問2は、犯罪の証明と訴因変更。一応は出題趣旨に合致していた。

(3)感想
 受験後はけっこう書いたこともあり、できた感触でいた。しかし結果は89点と振るわず。とりわけ刑法は出題趣旨に合致した答案にはなっていない。

4.選択科目
(1)第1問
 設問1は、黙示の合意のあてはめが微妙。ただ、ここを認定しないと市場効果の論述がぬけてしまうのでここは認める方向で。情報交換は有益であるが、価格に関する部分は反競争効果が生じうると指摘。
 設問2は、離脱。本来自由である事業活動を拘束することに共同行為の本質があるので、D社は不当な取引制限にあたる。C社はよくわからなかった。

(2)第2問
 拘束条件付き取引で論述したが、間接の取引拒絶も付け加えて書いた。取引拒絶は違うらしい。
 温度管理は必要であるが(目的は正当)、一律に転売禁止するまではない(手段)として、LRAっぽく違反を認定した。

(3)感想
 書きにくい設問ばかりだった。結果は47点でまあこんなもんか。

5.まとめ
 8科目の出来を5段階で自己評価すると
憲法…2  行政…1
民法…4  会社…2  民訴…4
刑法…2  刑訴…2
経済…3 となろうか。
 点数的にも民事系科目が5割を超えたほかは半分もとれていない。したがって、このレベルでも下位ではあるが、十分に合格できることが判明した。